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2026.08.24更新

法定養育費とは いくら?いつから?

2026年4月1日より、「法定養育費」という制度が施行されました。従来と異なり、父母間の取り決めがなくとも請求できる点で画期的な制度です。

今回は、法定養育費についてご説明します。

参考記事:養育費とは?含まれるものや決め方

 

取り決めなくても発生する

法定養育費とは、離婚時に取り決めなくても、法律の定めによって発生する養育費です。

従来、養育費支払いを求めるには、夫婦間の合意あるいは裁判所での手続きが必要でした。しかし、実際には養育費について取り決めをしていないケースが多く、子や監護している親が離婚後に経済的に困窮する事態が多発してきました。たとえ話し合いや調停で金額が決まっても、結局支払いがなされない例も目立つのが実情です。

そこで、2024年の民法改正により、法定養育費の導入が決定されました。夫婦間での話し合いがなくとも請求でき、強制執行もしやすくなったため、子の最低限の生活費が確保できるようになることが期待されています。

 

金額:子1人あたり月2万円

法定養育費の金額は、子1人あたり月2万円とされています。月2万円という金額は、一般的な養育費の金額よりも低いです(参考記事:養育費の相場)。

また、法定養育費は、①父母間で養育費の定めをした日、②養育費の審判が確定した日、③子が成年(18歳)に達した日のうち、最も早い日まで支払われるものとされています。話し合いで決める際には、20歳あるいは大学卒業(22歳)までとされるケースが多いため、支払い期間の面でも十分とは言えません。

あくまで、父母間の取り決めがないときの最低限・つなぎのものという位置づけになります。法定養育費が導入されても、従来と同様、養育費について父母で話し合うのが重要です。

 

払われないときは?

法定養育費には「先取特権(さきどりとっけん)」が付与されています。これにより、公正証書の作成や調停による合意等がなくとも、強制執行が可能になります(参考記事:離婚後の養育費の調停は?)。支払われない場合には、直ちに預金や給与などを差し押さえ、強制的に徴収できるということです。

もっとも、経済的事情から支払いが困難な場合には、免除や猶予が認められる可能性があります。

 

2026年4月1日以降に離婚した場合に適用される

法定養育費制度が始まったのは、2026年4月1日です。この日以降に離婚した場合が対象となります。

したがって、2026年3月31日以前に離婚した夫婦には適用されません。従来どおり、話し合いや裁判所での手続きにより決定しない限り、養育費は請求できません。間違えやすい点ですので、ご注意ください。

 

以上が、法定養育費に関する基礎知識です。制度が始まったばかりであり、十分に浸透していないと考えられます。あくまで最低限のものである点、施行前に離婚した場合には適用されない点をおさえておきましょう。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。養育費について疑問や悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

投稿者: 松村法律事務所

2026.08.07更新

入通院慰謝料はどれくらい?

交通事故によるケガで入通院をしたときに受け取れるのが「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」です。金額は「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準(裁判基準)」のいずれで算定するかにより大きく異なります。

今回は、入通院慰謝料の金額について解説します。交通事故で受け取れる慰謝料の種類については、以下の記事をご覧ください。

参考記事:交通事故の慰謝料にも種類があります

 

自賠責保険基準

自賠責保険の支払い基準では、入通院慰謝料の金額は「4,300円×対象日数」です。

ここでいう「対象日数」は「治療期間」と「実入通院日数×2」のうち小さい方になります。

たとえば、通院期間が3ヶ月(90日)で実際に通院した日数が30日の場合、「実入通院日数×2(=60日)」の方が小さいです。したがって、自賠責保険基準による入通院慰謝料は、4,300円×60日=258,000円と計算されます。

自賠責保険は最低限の補償を行う保険であるため、以下で説明する「任意保険基準」「弁護士基準(裁判基準)」と比べて低額です。

 

任意保険基準

自賠責保険に上乗せとして加入するのが任意保険です。任意保険における支払い基準は、保険会社によって異なり、公開されていません。

一般的には、自賠責保険基準に多少上乗せをした金額になっている場合が多いです。次に説明する弁護士基準よりは低額になります。

 

弁護士基準(裁判基準)

弁護士に依頼した場合、裁判をすれば獲得できるであろう金額を、相手方に請求します。それが「弁護士基準(裁判基準)」と呼ばれるものです。

交通事故で参照されることが多い『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準』(通称:赤い本)という書籍によると、入通院慰謝料は以下になります(一部抜粋)。

 

入院期間

0月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

通院期間

0月

 

53

101

145

184

217

244

1月

28

77

122

162

199

228

252

2月

52

98

139

177

210

236

260

3月

73

115

154

188

218

244

267

4月

90

130

165

196

226

251

273

5月

105

141

173

204

233

257

278

6月

116

149

181

211

239

262

282

7月

124

157

188

217

244

266

286

8月

132

164

194

222

248

270

290

9月

139

170

199

226

252

274

292

10月

145

175

203

230

256

276

294

11月

150

179

207

234

258

278

296

12月

154

183

211

236

260

280

298

 

たとえば、入院1ヶ月・通院5ヶ月のときは141万円、入院なし・通院6ヶ月のときは116万円となります。

弁護士基準は、自賠責保険基準や任意保険基準と比べて高額です。十分な補償を受けるには、弁護士に依頼して弁護士基準で請求するのが重要になります。

なお、上記は重傷のケースに用いられる表です。むち打ちなど軽傷のケースでは、金額が低くなります。むち打ちの場合の慰謝料額については、今後改めて解説します。

 

以上が、入通院慰謝料についての基礎知識です。相手方から提示される金額は、弁護士基準よりも低額なケースがほとんどです。言われるがまま示談せず、弁護士に相談するようにしましょう。

 

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。慰謝料について疑問がある方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2026.07.16更新

養育費にも時効があります。

「養育費に時効はあるの?何年?」と聞かれることがあります。

養育費には時効があるため、支払いがなされない状態で年月が過ぎると、請求権が消滅するかもしれません。

今回は、養育費の時効についてご説明します。既に取り決めをしている場合と、していない場合とで大きく分かれます。

 

原則:毎月の支払い日から5年

話し合いにより既に養育費について取り決めをしていた場合には、5年で時効にかかります。

養育費は月ごとに支払うのが一般的であるため、5年のカウントは月ごとになされます。たとえば、2026年1月31日が支払日の分については、2031年1月31日が終了した時点で時効にかかるということです。

養育費について公正証書を作成していた場合でも、時効期間は同じく5年です。

参考記事:離婚協議の内容を公正証書にするメリット

もっとも、調停などの裁判所での手続きを経て未払い養育費について支払いが決まったときは、過去の未払い分についての時効は、その時点から10年となります。将来分については、通常通り5年です。

参考記事:離婚後の養育費の調停は?

 

養育費を取り決めていない場合

そもそも養育費の取り決めをしていない場合、基本的に過去の養育費支払いは認められないとお考えください。過去に遡っての請求は難しいということです。

将来分(今後の分)については請求が可能です。

なお、2026年4月1日より施行された「法定養育費」(子1人あたり月2万円)については、過去の分も離婚時に遡って請求ができるとされています。ただし、2026年3月31日以前に離婚している場合には適用されません。

 

時効がストップ・リセットとなるケース

養育費の時効期間のカウントは、ストップあるいはリセットとなるケースがあります。

カウントがストップする例は、次の通りです。

・裁判上の請求をした(例:調停の申立て)→手続き終了までストップ

・裁判外で催告した(例:内容証明郵便の送付)→6ヶ月間ストップ

リセットされて期間のカウントがゼロになるケースとしては、以下が挙げられます。

・裁判所での手続きにより権利が確定した

・支払う側が権利の存在を承認した(例:支払合意、一部支払い)

請求する側としては、時効にかからないよう、ひとまず催告や調停の申立てなどを行うとよいでしょう。

 

以上が養育費の時効についての基礎知識です。ご自身の状況によってどのケースに当てはまるか変わってくるので、不明点は弁護士にご相談ください。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。養育費のみならず、離婚に関して疑問やお悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2026.07.07更新

交通事故の慰謝料にも種類があります。

 

 

交通事故では、様々な場面で「慰謝料」という言葉が出てきます。

一般的に慰謝料とは、精神的苦痛に対する賠償金のことです。ただし、慰謝料と一口に言っても、交通事故の場合にはいくつかの種類があります。

交通事故に遭った際に受け取れる慰謝料は、大きく分けて3種類です。すべてが発生するわけではなく、状況によって受け取れるものが異なります。

今回は、交通事故における慰謝料の種類を整理して解説します。

 

入通院慰謝料(傷害慰謝料)

1つ目が「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」です。

入通院慰謝料は、交通事故によるケガで入院・通院を強いられたことに伴う精神的苦痛を、賠償するための慰謝料です。

入通院慰謝料の金額は、大まかに言うと、入通院期間・日数により決まります。軽傷であっても、ケガを負い治療をしていれば発生します。重いケガで長期の治療を強いられたケースの方が金額は大きいです。

自賠責基準と弁護士基準とで金額は大きく異なりますが、おおむね数十万円から数百万円になります。

 

後遺障害慰謝料

2つ目は「後遺障害慰謝料」です。

後遺障害慰謝料は、治療しても後遺障害が残ってしまった場合に支払われる慰謝料です。入通院慰謝料に加えて後遺障害慰謝料が発生するのは、後遺障害の等級認定がおりた場合に限られます。

後遺障害が残り、元の身体に戻らなくなっている以上、後遺障害慰謝料の金額は入通院慰謝料と比べて高額です。金額は等級によって変わりますが、弁護士基準では、一番低い14級でも110万円、上位の等級になると1000万円、2000万円といった額になります。

等級ごとの後遺障害慰謝料の相場は、以下の記事をご覧ください。

参考記事:後遺障害の認定を受けるメリット

 

死亡慰謝料

3つ目は死亡慰謝料です。

死亡慰謝料は、交通事故により亡くなった場合に発生する慰謝料です。亡くなった本人だけでなく、遺族(近親者)にも固有の慰謝料が発生します。

命を奪われることによる精神的ショックは計り知れないため、金額は後遺障害慰謝料と比べても高額になります。被害者の家庭における立場にもよりますが、おおむね2000万円~3000万円程度です。

具体的な相場は、以下の記事でご確認ください。

参考記事:交通事故の死亡慰謝料の相場

 

以上が、交通事故における慰謝料の種類についての基礎知識です。

人身事故では、いずれか(複数の場合もあり)の慰謝料が発生します。自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準のうち、どの基準により算定するかで金額が大きく異なります。争いになりやすいポイントですので、ぜひ弁護士にご相談ください。

これまであまり触れていなかった入通院慰謝料については、改めて詳しく解説する予定です。

 

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。慰謝料について有無や相場を知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2026.06.18更新

物損事故時の請求について

これまで、物損事故で相手方に請求できる項目として、修理費、評価損、代車費用などについて扱ってきました。これら以外にも請求できるものがあります。

今回は、物損事故で請求できるもののうち、これまであまり触れてこなかった費目について解説します。

参考記事:物損事故とは?人身事故との違い

 

引き揚げ費・レッカー代・保管料

走行不能になり引き揚げ費・レッカー代が発生した場合には、必要かつ相当な範囲であれば、損害として相手方に請求できます。車両が物理的に走行できても、ケガにより運転できない状態であった場合は同様です。

保管料については、経済的全損の場合に、修理するか買い替えをするかを判断するために必要な期間の分は、請求が認められます。

 

時価査定料・見積費用

時価査定に要した費用や、修理費の見積もり費用も、損害として相手方に請求が可能です。

 

廃車料・車両処分費

全損の場合に、廃車・車両処分に要した費用を請求できます。

 

積荷・着衣・携行品

事故により車両に積んでいた荷物や着衣などに損害が生じた場合、相手方への賠償請求が可能です。

たとえば、車に乗せていたノートパソコン、持っていたスマートフォンなどが破損した場合には、賠償を求められます。ただし、購入額や買い替えに必要な金額を全額補償してもらえるわけではありません。中古価格や減価償却を考慮した価値が上限となります。

なお、メガネ・義手・義足などの損害も補償されますが、身体と一体で日常生活に不可欠なものであるため、人損として扱われます。

 

ペット

ペットは、法律上は「物」扱いです。したがって、ペットが死亡したりケガをしたりした場合には、物損として賠償請求を行います。

ただし、飼い主にとってペットは家族同然である以上、単なる物とは別に扱われる場合があります。

たとえば、物損では、慰謝料は原則として認められていません。しかし、ペットが亡くなった・重いケガを負ったケースでは、一般的に慰謝料が認められています。また、高額の治療費や葬儀費用も請求が可能です。

 

以上が物損で請求できるものについての基礎知識になります。様々な費用を請求できる可能性がありますが、個々の状況によって判断が変わるケースも多いです。気になる点は弁護士にご相談ください。

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2026.06.03更新

養育費が未払いのときに考えられる方法は?

離婚時に養育費を取り決めたにもかかわらず、支払われないケースは非常に多いです。今回は、養育費が未払いのときに採り得る方法を解説します。

養育費についての基礎知識は、以下をご覧ください。

参考記事:養育費とは?含まれるものや決め方

 

連絡をとる

まずは、連絡をとって支払いを求めることが考えられます。最も迅速かつ簡単な方法です。

一口に未払いと言っても、様々な理由が考えられます。単に振り込みを忘れていただけの場合には、連絡をとれば支払いがなされるでしょう。反対に、相手に支払う気がなく、何の効果もないケースもあります。

連絡手段としては、電話・メール・LINEなどが考えられます。場合によっては、内容証明郵便で請求するのもひとつの方法です。内容証明郵便を送付すれば、プレッシャーをかけられるとともに、請求した事実の証拠にもなります。

 

履行勧告

裁判所での手続きを通じて養育費を決めていた場合には、履行勧告という手段もあります。調停・審判・判決で決まった養育費が支払われないときに、相手方に支払いを勧告するよう、家庭裁判所に申し出る方法です。

費用はかからず、比較的ハードルが低いです。裁判所を通じて支払いを求められるため、自身でお願いするよりもプレッシャーをかけられます。

もっとも、履行勧告に強制力はありません。また、裁判所での手続きを経ていない場合には利用できない方法です。当事者間の話し合いで養育費を決めたときは、たとえ公正証書を作成していても、履行勧告は求められません。

参考記事:離婚協議の内容を公正証書にするメリット

 

履行命令

より強力な手段として、裁判所に履行命令を求めることもできます。調停等での取り決めを守らない相手に対して、家庭裁判所から支払いを命じてもらう方法です。

履行命令を受けた相手が正当な理由なく支払いを拒否したときには、「10万円以下の過料」というペナルティが存在します。履行勧告よりもプレッシャーをかけられるといえるでしょう。

もっとも、過料に処されるケースはあまりないのが実情です。また、支払先は国であるため、請求者がお金を受け取れるわけではありません。

 

強制執行

最も強力なのが、裁判所に強制執行を申立てる方法です。強制執行には様々な種類がありますが、養育費を回収する場合には、給与や預金等の差押えを求めるのが一般的です。

養育費では、差押えできる範囲が給与の1/2まで拡大されているうえに、将来分についての差押えも認められています。2020年4月に施行された法改正により、差し押さえ対象財産についての情報取得もしやすくなっています。

強制執行は、調停等の裁判所での手続きを通じて養育費が決まった場合だけでなく、当事者間で取り決めて公正証書を作成した場合にも利用が可能です。

しかし、強制執行の手続きは面倒で、弁護士に依頼しても費用がかかる点がデメリットです。相手に財産がない場合には、手間やお金をかけても回収できないリスクが存在します。そもそも、口約束や契約書(公正証書にしていないもの)だけで決まった養育費については、ただちには強制執行を求められません。

 

以上が養育費の未払いに対してとり得る手段です。それぞれメリット・デメリットがあるため、弁護士に相談してベストな進め方を聞くのをオススメします。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。養育費についてお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

 

投稿者: 松村法律事務所

2026.05.07更新

代車費用が賠償されるケース

代車費用が賠償されるケース

 

交通事故後に車両の修理・買い替えが必要になるとき、それまでの期間は代車(レンタカー)を使用する場合があるでしょう。代車使用に要した費用は、損害として相手方に請求できる可能性があります。

今回は、交通事故における代車費用について解説します。

 

代車を使う必要性がある

代車費用を請求するには、代車を使用する必要性が認められなければなりません。

必要性が認められやすいのは、以下のケースです。

・営業用車両である

・自家用車を通勤・通学に利用している、送迎や買い物など生活に不可欠

次の場合には、必要性がないと判断されやすいです。

・レジャー・趣味で利用しているだけ

・事故車以外に使える車がある

・公共交通機関の利用でこと足りる

なお、代車費用を損害と認めてもらうには、基本的に実際に代車を利用することが不可欠です。例外的なケースを除き、利用していない場合には、代車使用料は請求できません。

 

代車費用が認められる期間

代車費用が認められる期間は、修理や買い替えに通常要する期間となります。一般的には、修理の場合は1~2週間程度、買い替えの場合には1ヶ月程度です。

もっとも、交渉に時間を要したなど、個々の事情により変動するケースも少なくありません。相手方の都合により修理が遅れたような場合には、期間を延長できる可能性があります。

 

代車の車種

基本的には、同グレードの車種を利用した場合にかかる費用が、損害として認められます。上位グレードの車種を借りたとしても、同グレードの車種を借りたときの費用が限度になります。

なお、高級外車の場合には、使用目的に照らして、国産高級車相当の代車費用に限られるケースが多いです。

 

以上が、交通事故の代車費用に関する基礎知識です。あくまで一般論であり、個々の事情によって、請求できるか否か、どの範囲で認められるかが変わります。気になる点がある方は、弁護士への相談をオススメします。

 

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。疑問や悩みがある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2026.04.23更新

再婚したら養育費はどうなる?

「再婚したら養育費はどうなるの?」

と聞かれることがあります。

再婚後に養育費が変更される場合はありますが、個々の事情によりケースバイケースです。

今回は、再婚後の養育費についてパターン別に解説します。

養育費の基礎知識は、以下の記事をご覧ください。

参考記事;養育費とは?含まれるものや決め方

 

養育費は再婚により事情が変われば変更できる

いったん決めた養育費であっても、再婚により「事情の変更」があったと認められる場合には増減できます。

ポイントは、扶養義務を課される家族の変化です。たとえば、養育費を支払っている側の扶養家族が増えれば、減額される可能性があります。

もっとも、事情が変わっても、養育費の額は自動的には変わりません。まずは話し合いをして、決まらない場合には、調停や審判といった裁判所での手続きを経る必要があります。

 

養育費を支払っている側が再婚した場合

まず、養育費を支払っている側(多くのケースで父)が再婚した場合を見ていきます。再婚により扶養家族が増えれば、養育費が減額される可能性があります。

減額され得るケースは以下の通りです。

・再婚相手に収入がない(再婚相手への扶養義務発生)

・再婚相手の連れ子と養子縁組をした(連れ子への扶養義務発生)

・再婚相手との間で子が産まれた(産まれた子への扶養義務発生)

ただし、必ず減額されるとは限りません。支払い義務者の収入等に鑑みて、変更が認められないケースもあります。

 

養育費を受け取っている側が再婚した場合

反対に、養育費を受け取っている側(多くのケースで母)が再婚したケースでは、状況が異なります。ポイントは、再婚相手と子が養子縁組をしているか否かです。

再婚相手が子と養子縁組をしている場合、子を扶養する一次的な義務は再婚相手、すなわち「新しい父(母)」が負います。養育費を支払ってきた実の父(母)は、二次的な扶養義務者となり、再婚相手の収入等を勘案して、養育費はゼロまたは減額になる可能性があります。

再婚相手が子と養子縁組をしていないときは、扶養義務は発生せず、基本的に元の状態と変わりません。したがって、養育費は変更されないのが原則です。ただし、再婚相手から多くの経済的援助を受けている場合には、減額の可能性はあります。

 

以上が、再婚した際の養育費についての基礎知識です。状況によって異なりますし、変更後の養育費を算出するには複雑な計算を要します。弁護士にご相談ください。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。再婚による養育費の変更について相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所

2026.04.09更新

事故車の評価損(格落ち)

事故車の評価損(格落ち)

 

交通事故で車を修理すると、「評価損(格落ち)」が損害として認められる場合があります。

今回は評価損について解説します。

 

評価損(格落ち)とは?

評価損(格落ち)とは、修理によって車両の価値が下落する損害です。交通事故により壊れた部分を修理した際に、車両の価値が下がったことを理由に損害賠償が認められるケースがあります。

評価損には、以下の2種類があります。

・技術上の評価損:修理しても外観や機能に何らかの欠陥が生じること

・取引上の評価損:事故歴によりマイナスイメージを持たれ市場価値が下がること

実際に事故車両を売却していなくとも、車両の価値が低下した場合には評価損を請求できる可能性があります。

 

評価損が認定されるケース

現実には、評価損が認定されるケースは限られています。認定されやすくなる事情としては、以下が挙げられます。

 

判断要素

認定されやすくなる事情

車種

外国車、国産高級車、人気車種

登録年数

初度登録からの期間が短い(3~5年程度以内)

走行距離

少ない(4~6万km程度以内)

損傷箇所

骨格部分の損傷(フレーム・バンパーなど)

修理内容

大規模・広範囲

 

これらの事情を総合的に考慮して判断されるため、評価損が認められるかはケースバイケースです。

判例に基づくひとつの目安として、次の基準が挙げられます。

・外国車や国産人気車種:初度登録から5年程度以内・走行距離6万km程度まで

・国産車:初度登録から3年程度以内・走行距離4万km程度まで

 

ただし、実際に評価損を受け取るハードルは高いといえます。特に交渉段階では、保険会社が認めてくれないケースが多いです。訴訟をしても、裁判所が認めてくれるとは限りません。

なお、評価損が発生するのは、修理して使える状態であることが前提です。全損で買い替えが必要になる場合には、評価損は請求できません。

 

 

評価損の金額

評価損の金額の算定方法は、様々あります。

実務上多く用いられるのが、修理費の一定割合を評価損とする方法です。修理費の何パーセントとするかはケースバイケースです。おおむね10%~50%までと幅は大きいですが、30%程度になる場合が多いといえます。

ただし、明確な基準はありません。金額の見通しをつけるのは難しいといえます。

 

以上が評価損についての基礎知識です。保険会社が認めない場合が多く、明確な基準もないため、自力で請求するのは困難です。弁護士への相談をオススメします。

 

当事務所では、交通事故の初回相談を無料としております。事故に遭われた方は、お気軽にご相談ください。

 

 

 

投稿者: 松村法律事務所

2026.03.27更新

離婚後の養育費の調停は?

養育費調停の流れ

 

養育費を話し合いで決められない場合、調停の利用が考えられます。今回は、養育費調停の流れを解説します。

養育費についての基礎知識は、以下の記事をご覧ください。

参考記事:養育費とは?含まれるものや決め方

 

養育費調停とは?

養育費の金額や支払いについては、まずは話し合いで決めます。話し合いがまとまらないときには、裁判所に調停を申し立てるのが一般的です。

離婚前の場合には、離婚調停の中で養育費についても話し合えます。離婚時に養育費の取り決めをせず、後から請求する際には、養育費調停を申立てます。

参考記事:離婚調停の流れ~申立てから離婚成立まで

調停は、調停委員を間に挟んだ話し合いです。直接顔を合わせずにすむので、冷静に話を進められます。合意した際には、内容が「調停調書」に記載され、法的効力を生じさせることができます。

もっとも、当事者だけの話し合いとは異なり、書類を提出する、平日の昼間に裁判所に出向くといった負担が大きいです。また、1ヶ月に1回程度のペースで行われるため、解決までに時間を要します。

 

養育費調停の流れ

養育費調停は、大まかに以下の流れで進みます。

・申立て

・第1回期日の決定、通知

・第1回期日

・(1回で決まらない場合)第2回以降の期日

・調停成立or不成立(審判移行)

申立ての際には、申立書のほか、子の戸籍謄本、収入に関する資料などを提出します。費用としては、子1人につき1200円分の収入印紙と、連絡用の郵便切手代が必要です。(参考:養育費請求調停|裁判所)。

期日当日は、30分程度ごとに交互に調停室に呼ばれ、調停委員と話をします。主張は調停委員を介して相手に伝えられるため、直接顔を合わせる必要はありません。

金額や支払い時期・方法などを合意できたら、調停成立です。合意内容は「調停調書」に記載され、判決と同様の法的効力を有します。

合意できないときは、2回目の期日が設定されます。期日を重ねても合意の見込みがないときは、調停不成立となります。その場合は自動的に審判手続きに移行し、最終的には裁判官が決定するという流れです。

 

養育費の増額・減額も調停で可能

以上は養育費を決めていなかったときの話ですが、一度決めた養育費を変更することも可能です。変更を求める際には「養育費増額調停」または「養育費減額調停」を申立てます。

変更できるのは、事情の変更が認められるケースです。収入の増減、子の生活費・学費の上昇などが認められれば、変更できる可能性があります。

 

以上が養育費調停に関する基礎知識です。調停は弁護士なしでもできますが、手続きの負担を減らしつつ妥当な結果を得るには、弁護士への相談をオススメします。

 

当事務所では、離婚の初回相談を無料としております。養育費調停を申立てたい(申立てられた)方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 松村法律事務所