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2016.04.14更新

労働問題

個人のお客様からのお問い合わせが多いのが、労働問題です。使用者側からの不当な扱いにより、退職やその後の転職にまで影響が出る場合もあります。しかし、解雇されてからでは証拠も中々集まりません。不当な扱いを受けた場合には、可能であれば録音をする。それが難しい場合には、「いつ、どこで、誰から、どのような発言をされたか」を記憶が鮮明なうちにノート等に書き溜めておくことです。使用者に対し行動を起こす場合、他の従業員からの協力が得られる可能性は乏しいため、ご自身でできる限りのことをしておくことが求められます。更に注意が必要な点は、訴訟になれば会社を相手取るわけですから、仮に勝訴して会社に復帰したとしても、従来のような職場環境で就労できるとは限りません。事実上、相当なプレッシャーが上司同僚から向けられる可能性は否めません。このようなリスクを孕んでいることを踏まえた上で、法的な請求をしていくことになるのです。

なお、解雇は労働契約法上非常に厳しい要件により制限されています。解雇は労働者を社外に放出し、当該労働者の経済生活に極めて重大な不利益をもたらすものだからです(懲戒解雇となれば、その不利益性はより重大です)。労働者側に非違行為や適格性の疑義があったとしても、配転など他の取りうる手段を講じないままに早急に解雇に踏み切るのは、使用者側からしても危険といえるでしょう。使用者側も、訴訟リスクを上げないためにも、解雇を含む労働者に対する処分に際しては、慎重な検討が必要でしょう。

投稿者: 松村法律事務所